ビン・ズオン省の伝統工芸品について語るなら、トゥ・ゾウ・モット市トゥオン・ビン・ヒエップ郡のトゥオン・ビン・ヒエップ漆器村は欠かせません。この村は数百年の歴史を持ち、代々受け継がれてきた伝統工芸の里です。

ビン・ズオン省のトゥオン・ビン・ヒエップ漆の村は何世紀にもわたって全国的に有名な高級漆産業の発祥地。

１７世紀末頃、北中部の住民によってこの地に漆塗りの仕事が伝わりました。新しく開墾された土地に来て、新しい生活を始めた最初の数日間、遠く離れた地から来た人達はまだ心の中に故郷を思い、頭を痛めていました。そこで、彼らは郷愁の一部を和らげるために、絵画を通じて故郷の姿を再現しました。ここに住で生活をするようになり、地元の文化的価値観と組み合わせて、漆の職人は独自の独特のスタイルを持つ作品を作成しました。それがトゥオン・ビン・ヒエップ漆塗りです。

漆塗りの作品を作るには多くの経験を必要とします。テーブルや椅子、キャビネット、花瓶などに製品の種類に応じて使用される木材やコアの素材が異なります。例えば写真や箱を作るのに使われる合板、花瓶や彫像を作るために使用されるセラミック、布や紙は食器やボトルなどの軽くて薄いデザインの製品の芯となる。

伝統的な漆工芸作品を製作するには、通常２５もの厳しい工程を経なければならず、多くの手間と時間がかかります。塗りや研ぎなど最大６回繰り返さなければならない工程があります。品質を確保するために各製品の塗装には３〜６か月かかります。

何世代にもわたって受け継がれているトゥン・ビン・ヒエップ漆塗りの伝統美は洗練された美しさです。作られた製品はどの細部、描いた線、研いだ線に至るまで上品さとエレガントさに溢れています。

顧客に大変好評な漆塗りの家庭用品。

歴史の浮き沈みを何度も経験してきたトゥオン ・ビン・ ヒエップ村の漆器は今でも伝統文化と国民的アイデンティティが染み込んでいます。近年におけるトゥオン ・ビン・ ヒエップ村漆器のあらゆる面での輝かしい発展は工芸村の誇りであるだけでなく、国家全体の立派な文化遺産でもあります。

文と写真：トン・ハイ/ベトナムフォトジャーナル